【横浜の神社】野島稲荷神社
歌川広重が描いた金沢八景の一つ『野島夕照』で知られる野島山の山裾に鎮座する「野島稲荷神社」。
野島稲荷神社の由来は、鎌倉時代の安貞元年(1227)に阿波守長島維忠の発願により、その子修理佐頼勝が造立したと伝えられる。江戸時代に徳川光圀が編纂させた『新編鎌倉志』や江戸時代の観光案内本『江戸名所図会』においては「・・・(野島)山の出崎に稲荷の宮あり」などと記されている。万治年間(1658~1661)の頃、社の近くの海辺には”塩風呂”と称された徳川頼宣公の別邸があったされ、稲荷神社は御殿の鬼門の守り神として厚い尊信を受けたという。後の明治6年(1873)に村社に列格、大正2年(1913)に神饌幣帛料供進神社に指定された。
野島山の岩肌に茂る緑に囲まれたこぢんまりと静かな境内はとても良い雰囲気。長い年月を経て山の一部を成すように自然とそこに在り、地域独自の稀有な空間をつくっている。
野島稲荷神社
所在地:横浜市金沢区野島町23-1
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