【歴史的建造物アーカイブ】大原隧道
名称:大原隧道 ふりがな:おおはらずいどう
(概要) 南区清水ヶ丘と南太田を結ぶ、紫褐色の煉瓦が美しいクラシカルなトンネル「大原隧道」。 関東大震災で被災した水道施設の復興事業として、西谷浄水場から蒔田・大岡・井土ヶ谷・弘明寺・堀の内・岡村・磯子の各方面に給水する水道管を敷設するため昭和3年(1928)に建設された。トンネル内部には現在も水道管が埋設されている。当初は管理用通路付きの水道用トンネルであったが、現在は周辺住民の生活道路としても利用されている。坑門(トンネル入り口)は、フランス積に並べられた色味の良い紫褐色の焼過煉瓦、白い花崗岩の梁と柱が創り出す垂直と水平のシンプルで力強いライン、ボリューム感のある馬蹄アーチ、これらが相まって古典的で独特な風格を備えている。 平成12年(2000)には横浜市認定歴史的建造物に、また平成18年(2006)には豊かなデザイン性と公道と兼用になっている水道幹線路の隧道という希少性を評価され、土木学会選奨土木遺産に選定されている。
(DATA)
建築年代:昭和3(1928)
構造/規模:水道用(管理用通路付)馬蹄形トンネル/延長254.5m・高さ3.62m・幅2.44m
設計/施工:横浜市水道局/不詳
指定/分類:横浜市認定歴史的建造物 指定年月日:平成12年度
所在地:横浜市南区清水ヶ丘76-10~南太田2-222
南太田側の坑門
大蛇の体内にいるようなトンネル内部
清水ヶ丘側の坑門
紫褐色の味わいのある焼過煉瓦
(写真撮影:2014.11)