【歴史的建造物アーカイブ】インペリアルビル

県民ホール裏手の水町通り沿いに立つ、昭和初期に建てられたモダニズム建築の白いビル「インペリアルビル」。

旧外国人居留地であった山下町25番地にあるインペリアルビルは、関東大震災後の昭和5年(1930)に竣工した鉄筋コンクリート造5階建てのビルで、創建当時は外国人専用の長期滞在型アパートメントホテルとしてつくられ「インペリアル・アパートメント」と呼ばれた。

設計は昭和初期の横浜において数々のモダニズム建築を残した川崎鉄三。川崎鉄三が横浜で手がけた建物は他に「ジャパンエキスプレスビル」、「昭和ビル」が現存している。建物は水平連続窓のある直線で構成されたシンプルなデザインで、昭和初期の横浜において当時の最先端であったインターナショナルスタイルであるモダニズム建築の様式を体現した先駆的な作品として評価されている。第二次世界大戦後の1945年~1955年までは米軍により上級士官の宿舎として接収されたが、その際に屋上部分が増築された。

機能的・合理的な普遍的デザイン性を標榜するモダニズム建築の横浜における先駆的な試みとして建てられたインペリアルビル。87年の年月を経た今も現在の町並みにすんなり馴染み、オフィスビルとしても現役で使用されていることは、この試みが成功であったことの何よりの証明である。一方で、そのシンプルなデザインの中にもどこか温かみを感じさせる味わい深さもあり、港ヨコハマのクラシカルな表情を通りにをつくりだしている。

(DATA)
建築年代:昭和5(1930)
構造/規模:RC造5階
設計/施工:川崎鉄三/白井工務店
指定/分類:横浜市認定歴史的建造物(平成22年度)
所在地:横浜市中区山下町25

インペリアルビル2-THE YOKOHAMA STANDARD

 

インペリアルビル1-THE YOKOHAMA STANDARD

THE YOKOHAMA STANDARD ウェブサイト

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2017-04-19 | Posted in 歴史, 歴史的建造物アーカイブ | tag:

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