【旧道・古道】横浜旧東海道を歩く~神奈川宿vol.1~

“みなと横浜”として開港以来のイメージが強い横浜だが、東海道が通り3つの宿場があった横浜市域は江戸時代にも多くの人が行き交った。日本橋から七里(約27km)、3番目の宿場であった「神奈川宿」は、海に面して茶屋や旅籠屋が立ち並ぶ景勝地として知られ、海上交通の要衝であった神奈川湊(港)とともに栄えていた。当時の旅路を思い浮かべながら、現在の京急線神奈川新町駅付近から青木橋を経て、横浜駅近く台町の上台橋へ至る道のりを行く。

旧東海道にあたる国道15号線の北側に整備された「神奈川宿歴史の道」に沿って進み、ゆかりの場所を訪ねながら歩く。

長延寺跡(ちょうえんじあと)
京急線・神奈川新町駅の目の前にある神奈川通東公園には、寛永8年(1631)から昭和40年まで「長延寺」があり、開港当時はオランダ領事館に充てられていた。ここが神奈川宿の江戸側出入口である”江戸方見附”にあたる。
神奈川宿1-THE YOKOHAMA STANDARD

笠のぎ稲荷神社(かさのぎいなりじんじゃ)
長延寺跡から京急の線路沿いを歩いているとほどなくして「笠のぎ稲荷神社」のこんもりとした大きな木立が見えてくる。創建は平安時代の天慶年間(938~947)といわれ、境内には横浜市指定有形文化財の「板碑(いたび)」もある。横浜市の名木・古木に指定されているクスノキ・イチョウをはじめたくさんの木々に囲まれた静かな境内には落ち着く雰囲気がある。
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良泉寺(りょうせんじ)
京急の線路を挟んで笠のぎ稲荷神社の向かい側にある「良泉寺」は、はじめ小机付近に創建され、江戸時代にこの地に移転したとされる。開港当時には住職が本堂の屋根を自ら剥がし外国領事館として使用されることを拒否したという逸話がある。手入れの行き届いた境内の木々は美しく、空間から秩序が感じられる。
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能満寺(のうまんじ)
良泉寺から線路沿いと国道15号線の間の道を少し進むと、六地蔵の並ぶ「能満寺」がある。能満寺と道を隔てて隣りにある「神明宮」はかつては能満寺に所属していたが、明治時代の神仏分離令により分かれた。
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金蔵院(こんぞういん)
神奈川小学校前を通り、東光寺を過ぎると、国道15号線と京急線仲木戸駅、JR線東神奈川駅方面を結ぶ大通りに出る。これを越えて進むとほどなく平安時代末期創建で神奈川宿最古の古刹といわれる「金蔵院」の山門が現れる。山門と脇のしだれ桜がつくる景観に風情がある。
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熊野神社(くまのじんじゃ)
金蔵院の斜向かいにある「熊野神社」は元は権現山にあり、江戸時代中期に金蔵院の境内に移転した後、明治の神仏分離令により金蔵院から分かれ現在に至る。文政7年に出された「金川砂子」に江戸時代後期の熊野神社の賑わいが描かれている。嘉永年間(1848~1854)に造られたという鳥居脇の大きな「石造大獅子狛犬」は迫力。
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復元された高札場
熊野神社すぐ近くの神奈川地区センターには、かつて神奈川警察署西側付近にあった「高札場(幕府のお触れが掲げられ、宿泊代などが示された場所)が復元されている。
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成仏寺(じょうぶつじ)
神奈川地区センターの斜向かいにあり、鎌倉時代の創建と伝えられる「成仏寺」は、開港当時アメリカ人宣教師の宿舎に充てられた。ローマ字の創始や医師として近代医術を伝えるなど数々の業績で知られる宣教医へボンは、日本へ到着後この成仏寺の本堂に住んだという。
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慶運寺(けいうんじ)
浦島太郎ゆかりの地としても知られる神奈川宿。かつて神奈川宿には浦島太郎が竜宮から持ち帰った浦島観世音を本尊とする「観福寺」があり”浦島寺”と呼ばれ江戸の人々に親しまれていた。観福寺は明治元年の火事で焼失し廃寺となってしまったが、火災の際に浦島観世音像などは持ち出され、現在はこの慶運寺に残されている。開港当時はフランス領事館に充てられた。
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滝の川
権現山から流れ出る水が滝川となって注いだことが名の由来ともいわれる「滝の川」。滝の川を挟んで江戸側・石井本陣の置かれた神奈川町、京側・鈴木本陣の置かれた青木町の二町に神奈川宿は分かれる。この滝の川あたりが神奈川宿の中心地で旅籠屋が軒の連ね賑わったという。
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終~横浜旧東海道を歩く 神奈川宿vol.1(長延寺跡~滝の川)~

 

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2015-02-16 | Posted in , 旧道・古道 | tag:

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