【横浜の公園】元町公園
山手本通りと外国人墓地に隣接する緑豊かな谷間に広がる「元町公園」。丘の湧水を利用した給水施設”ジェラールの水屋敷”の跡地に元町公園プールとともに開設された”水”にゆかりのある公園で、園内には歴史的な遺産も多く、春には桜、夏は水浴、秋は紅葉など一年を通じて表情豊かな憩いの場。
「元町公園」は幕末に来日したフランス人実業家アルフレッド・ジェラールが経営した”ジェラールの水屋敷”として知られる船舶給水業の貯水施設と、兼営した西洋瓦・レンガ工場の跡地にできた公園で、関東大震災後の昭和5年(1930)に開園した。同年に開設された「元町公園プール」は夜間照明設備を備えた当時としては最新鋭のプールで、現在も公園の中心施設として親しまれナイター利用することもできる。また、プール裏手の「市営元町公園弓道場」は昭和6年(1931)に建てられた道場で、現在も幅広い世代の方々の稽古に勤しむ姿が見られる。
園内には国の登録有形文化財の「ジェラール水屋敷地下貯水槽」や関東大震災前に建てられた横浜に唯一現存する外国人住宅の遺構である「山手80番館遺跡」、土木遺産の石造側溝「ブラフ溝」、他にも「山手234番館」、「エリスマン邸」、「ベーリック・ホール」など歴史的建造物などさまざまな歴史遺産があり見どころが多い。自然の丘陵を生かした斜面に沿って様々な方向へ迷路のように続く散策路には、立派な幹をもつ巨木や個性的な形の木々も多く、静かな木立を中をのんびり歩くのも心地良い。春には桜の名所、夏は水浴、秋の紅葉もきれいで、一年を通じて表情豊かな憩いの場。
元町側の公園入口。右手の階段は麓と丘上の山手本通りを結ぶ「額坂」。
プール入口前から元町方面を望む。
ジェラール関連以外にも公園はさまざまな痕跡を残している。
「我国塗装発祥の地記念碑」
旧児童プールの壁泉と大正活映撮影所跡
国の登録有形文化財の「ジェラール水屋敷地下貯水槽」
現在も水が湧き出ている。
公園の北側入口
プール入口。管理棟の一部にジェラール瓦が使用されている。
公園東側の「貝殻坂」。苔むす路面に風情がある。
斜面に沿って様々な方向へ迷路のように続く散策路。
ブラフ溝のモニュメント。ブラフ溝は額坂の脇で現在も使用されている。
山手80番館遺跡
元町公園弓道場
個性豊かなさまざまな形状の木々がたつ。
散策路から望む貝殻坂とカトリック山手教会納骨堂
山手本通り沿いの広場とレトロな公衆電話ボックス。
公園の一角にある西洋館
「エリスマン邸」
「山手234番館」
夜の「ベーリック・ホール」
-おわり-
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