【歴史的建造物アーカイブ】横浜指路教会

関内駅からほど近い尾上町の一角、ビルが連なる風景の中で不意に姿をあらわすゴシック調建築は「横浜指路教会」の教会堂で、建造は大正15年(1926)。開港期の横浜で多大な足跡を残した宣教医ヘボンゆかりの教会として知られる。
宣教医ジェームス・カーティス・ヘボンは開港直後の安政6年(1859)に来日。横浜で暮らし、医師として近代医術を伝え、日本初の和英辞典『和英語林集成』の編纂、ヘボン式ローマ字の考案、明治学院大学の創設など多大な功績を残した。ヘボン塾で学んでいた青年たちによって教会設立の気運が起こり、明治7年に(1874)設立された「横浜第一長老公会」は「横浜指路教会」の前身で、居住地39番から始まり数度の移転を経て明治25年(1892)に現在地に移転。ヘボンの尽力により教会堂が建設され、この際にヘボンの母教会である”Shiloh Church”に由来する“指路(しろ)教会”となった。
ヘボンの尽力により建てられた先代の教会堂はフランス人建築家ポール・サルダによる赤レンガ造の建物であったが、大正12年(1923)の関東大震災により倒壊。震災後の大正15年(1926)に現在の教会堂が再建された。建物はサン・ドニ大聖堂にも似たフランスの初期ゴシック調建築で、シンボリックな鐘塔をそなえ、正面入口の尖頭アーチ、列柱、バラ窓などの意匠が特徴的。
第二次世界大戦では建物内部が全焼するなど試練に遭いながらも、90年に渡りこの地にあり続け、その慎ましくも厳かな佇まいは、都市の街角に穏やかで落ち着いた雰囲気を与えている。

(DATA)
建築年代:大正15(1926)
構造・規模:SRC造・3階
設計/施工:竹中工務店/竹中工務店
指定/分類:横浜市認定歴史的建造物(昭和63年度)
所在地:横浜市中区尾上町6-85

指路教会1-THE YOKOHAMA STANDARD

 

指路教会2-THE YOKOHAMA STANDARD

 

指路教会3-THE YOKOHAMA STANDARD

 

指路教会4-THE YOKOHAMA STANDARD

(写真撮影:2016.1)

THE YOKOHAMA STANDARD ウェブサイト

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2016-03-02 | Posted in 歴史的建造物アーカイブ, | tag:

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