【歴史的建造物アーカイブ】旧横浜居留地48番館

KAAT神奈川芸術劇場の裏手にひっそりと佇む「旧横浜居留地48番館」。山下居留地でダイナマイトなどを取り扱うモリソン商会の店舗として明治16年(1883)に建設された建物の遺構で、横浜最古の洋風建築物とされる。建物は、関東大震災で2階部分が崩壊するなど甚大な被害を受け、震災後の復興事業でも建物の一部が取り壊されるなどしたが、残存した部分が使用され続けてきたという。
大正15年(1926)から昭和53年(1978)まではヘルム兄弟商会がつくった外国人向けアパート「ヘルムハウス」、その後は「県警本部分庁舎」などの敷地の一角で倉庫などとして使用されてきたが、長きに渡りその存在と価値は公に知られぬままひっそり建ち続けていた。しかし、旧ヘルムハウス解体に際し調査が行われたところ、建築的・歴史的価値の重要性が評価され、平成13年(2001)に神奈川県指定重要文化財に指定された。その後、保存の為の改修工事が行われ、一見すると古い建造物であることが分からないが、内部を覗くとフランス積み(フランドル積み)という手法で積まれた煉瓦造りの壁を見ることができ、また関東大震災後から使われてきた屋根を支える骨組みが展示されており、往時の姿をしのばせる。
(DATA)
名称:旧横浜居留地48番館
ふりがな:きゅうよこはまきょりゅうちよんじゅうはちばんかん
建築年代:明治16(1883)
構造・規模:煉瓦造(創建当初は2階建)
設計/施工:不明
指定/分類:神奈川県指定/指定重要文化財
指定年月日:平成13年(2001)
所在地:横浜市中区山下町54

旧横浜居留地48番館4-THE YOKOHAMA STANDARD

旧横浜居留地48番館3-THE YOKOHAMA STANDARD

旧横浜居留地48番館2-THE YOKOHAMA STANDARD

旧横浜居留地48番館1-THE YOKOHAMA STANDARD

旧横浜居留地48番館5-THE YOKOHAMA STANDARD

創建時のものとされるキーストーン
旧横浜居留地48番館6-THE YOKOHAMA STANDARD


2015-12-08 | Posted in 歴史的建造物アーカイブ, | tag:

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