【歴史的建造物アーカイブ】ブラフ18番館
起伏に富んだ山手イタリア山庭園内の一角に佇む「ブラフ18番館」。元は山手本通りに面した山手45番地に所在し、オーストラリア人貿易商のR.C.バウデン邸として関東大震災後に建てられたとされるが、建物の設計・施工者など詳しいことはわかっていない。建物は、白い壁に、複雑な凹凸のあるオレンジのフランス瓦、ベイウインドウ(台形に張り出した出窓)と鎧戸のあるグリーンの窓が特徴的で、こじんまりと可愛らしいデザイン。
戦後は長らくカトリック山手教会の司祭館として使われたが、老朽化により平成3年(1991)に解体されることとなった。解体にともない調査が行われたところ、建物には震災前に同じくR.C.バウデンが山手45番地に建築したと思われる住宅の、震災による損傷を免れた部材が再利用され再建されたものであることがわかった。その後、解体された部材は横浜市の所有となり、山手イタリア山庭園内に移築復元。現所在地が旧山手居留地18番地に位置したことから「ブラフ18番館」と新たに命名され、平成5年(1993)から一般公開されている。
(DATA)
名称:ブラフ18番館
ふりがな:ぶらふじゅうはちばんかん
建築年代:大正末期 <平成5(1993)移築復元>
構造・規模:木造2階
設計/施工:不明
指定/分類:横浜市認定歴史的建造物
指定年月日:平成6年度
所在地:横浜市中区山手町16(山手イタリア庭園内)[旧所在地:山手町45]
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