【歴史的建造物アーカイブ】昭和ビル

海岸通りに連なるスクラッチタイルの外壁が特徴的な戦前期のモダンビル群のうち、西端の象の鼻パーク入口脇に立つ「昭和ビル」。「昭和ビル」は関東大震災後の昭和6年(1931)に「カスタム・ブローカー・ビル」として竣工した。元々は通りから向かって右隣りにも同デザインのビルが連結して双子のように立ち、こちらは後にキッコーマン横浜支店の「キッコーマンビル」として使われてきたが平成12年(2000)に解体。二つでセットであった建物は片割れだけが残る形となってしまった。設計は昭和初期の横浜において数々のモダニズム建築を残した川崎鉄三。川崎鉄三が横浜で手がけた建物は、「昭和ビル」の他に「ジャパンエキスプレスビル」、「インペリアルビル」が現存している。「横浜貿易会館」については川崎鉄三が施工監理を務めたとされ、また、「横浜海洋会館」についても川崎が関与していたのではないかとされるが定かではない。象の鼻パークの入口の「昭和ビル」から「横浜海洋会館」、「横浜貿易会館」、そして「ジャパンキスプレスビル」と連なるそれぞれ個性的な戦前期のモダンビルディングたちは、港ヨコハマのクラシカルな雰囲気を今に残し、古びることなく現代の街並みに馴染み海岸通りを代表する景観をつくりだしている。

(DATA)
名称:昭和ビル ふりがな:しょうわびる
建築年代:昭和6(1931) 構造・規模:RC造・3階 設計/施工:川崎鉄三/戸田組 指定/分類:未指定
所在地:横浜市中区海岸通1-1

昭和ビル1-THE YOKOHAMA STANDARD

 

海岸通り22-THE YOKOHAMA STANDARD

 

海岸通り21-THE YOKOHAMA STANDARD

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2016-08-18 | Posted in 歴史的建造物アーカイブ, | tag:

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