【歴史的建造物アーカイブ】旧奥津家長屋門及び土蔵
多くの歴史的建造物が残されている横浜。市中心部では近代建築などが多いが、一歩郊外に出ると古民家も多く残されている。JR横浜線・十日市場駅近くにある広大な緑地空間「新治市民の森」に隣接する新治里山公園内には、かつてこの地域で名主を勤めた奥津家の「長屋門」や「土蔵」が残されており、谷戸の風景と共に里山の農村の風情を今に伝えている。
[長屋門]
長屋門とは門の両側が長屋になっている形式の門で、もとは武家屋敷にみられたが、後に地域の有力な農家などでも造られた。奥津家の長屋門は江戸時代末期に建てられたもので、現在は銅板葺・寄棟造の屋根であるが、当初は北側を切妻、南側を寄棟とした茅葺であったという。
建築年代:江戸末期と推定
構造・規模:木造2階 寄棟造・銅板葺
設計/施工:不明
指定/分類:横浜市認定歴史的建造物
指定年月日:平成14年度
[土蔵]
土蔵は壁を土や漆喰で塗り固めて火災などに備えた倉庫。奥津家の土蔵は大正15年(1926)の建造で、南関東の江戸から明治期の伝統的な構法で造られているという。
建築年代:大正15(1926)
構造・規模:土蔵造2階 置屋根切妻造・銅板葺
設計/施工:不明
指定/分類:横浜市認定歴史的建造物
指定年月日:平成14年度
旧奥津家長屋門及び土蔵
所在地:緑区新治町887(新治里山公園内)
(関連記事)
【横浜の森】新治市民の森
【横浜の川】梅田川