【横浜の坂道】天神坂(西区)
京急線・日ノ出町駅裏手の丘を上り野毛山公園までの近道でもある「天神坂」。切り立った崖に沿ってうねるように石段が続く景観はシュールな雰囲気の独特な空間で、坂上からは日ノ出町の街が一望できる。
「天神坂」のある「天神山」は、吉田新田埋立の為の土取場であったことで知られる。吉田勘兵衛による吉田新田の埋立は、明暦2年(1656)に始まり一度は挫折するも、万治2年(1659)年から再チャレンジし二度目の工事が開始。「大田村の天神山」の他、「石川中村の大丸山」、「横浜村の洲干島(宗閑嶋)」の3カ所から取られた土砂によって埋立てられ、8年の歳月をかけて寛文7年(1667)に完成し、当時は”野毛新田”と呼ばれた。坂の名は十代目吉田勘兵衛が山を切り崩してできた無名の通り道に”天神阪”と命名したことが由来とされる。
大正12年(1923)に発生した関東大震災では、多くの人が天神坂を通って野毛山の水道貯水池へ逃げようとしたが、坂の途中で猛火に襲われ多数の命が犠牲になったことが伝えられている。
天神坂へは日ノ出町駅裏のガード脇の階段から入っていく他、ガードを抜けた先の路地からも進むことができるが、この狭い路地もまたユニークで石垣に囲まれた迷路のような不思議な空間となっている。
日ノ出町駅裏・ガード脇の階段 この階段を上り跨線橋を渡ると天神坂
石垣に囲まれた路地 この路地も天神坂へと続く
天神坂
坂上からの風景
天神坂
所在地:横浜市西区東が丘