【横浜の橋】新港橋梁 <横浜市認定歴史的建造物>

赤レンガ倉庫からほど近い運河に架かり、山下臨港線プロムナードの起点として多くの人が行き交う「新港橋梁」。元は今から100年以上前の大正元年(1912)に建造された貨物線(横浜臨港線)の鉄道橋。

明治期に入り急増する貿易量の増加に対応する為、横浜初の近代的な港として明治後期から大正初期にかけて造成された「新港ふ頭」。「新港橋梁」は、当時赤レンガ倉庫などと共に建造された港湾施設の一つで、旧横浜駅(現桜木町駅)から延びる横浜臨港線の、新港ふ頭を経て旧横浜税関構内を結ぶ橋梁として大正元年(1912)に架設された。

橋は100フィート・ポニー型ワーレントラス橋で、設計は大蔵省臨時建築部、施工は浦賀船渠。先行して架設され現在も汽車道に現存する「港一号橋梁・港二号橋梁」がアメリカ製、「港三号橋梁」がイギリス製であるのに対し、「新港橋梁」は日本における初期の国産トラス橋として知られる。部材同士は英国系のピン結合と異なり、リベット結合によって強固な剛性に組立られている。

100年以上この地に架かる「新港橋梁」。周囲の景観はこの100年で大きく変わったが、すぐそばの赤レンガ倉庫とともに、今と歴史が融合する魅力ある景観を創り上げている。貨物線を支えたリベット結合の頑丈な造りで、橋を渡りみなとみらいや山下公園方面を行き来する多く人々を今日も支えている。

(DATA)
建築年代:大正元年(1912)
構造・規模:ワーレントラス橋
設計/施工:大蔵省臨時建築部/浦賀船渠
指定/分類:横浜市認定歴史的建造物(平成14年度)
所在地:中区新港1~海岸通1

新港橋梁1-THE YOKOHAMA STANDARD

 

新港橋梁2-THE YOKOHAMA STANDARD

 

新港橋梁3-THE YOKOHAMA STANDARD

THE YOKOHAMA STANDARD ウェブサイト

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2016-02-01 | Posted in 横浜の橋, | tag:

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