【歴史的建造物アーカイブ】称名寺の社寺建築
鎌倉時代の13世紀に、北条実時(1224~1276)によって創建されたとされる「称名寺」。金沢(かねさわ)北条氏の菩提寺で、学問に造詣の深い実時によって同時期に「金沢文庫」も造られた。実時の子・顕時(1248~1301)は寺を拡充させ、顕時の子・貞顕(1278~1333)の時代には隆盛を極めたという。元亨3年(1323)に描かれた「称名寺絵図」では池の周囲に七堂伽藍を備えた最盛期の様子を伝えている。北条氏の滅亡後は寺も徐々に衰退していったが、江戸時代に再興され、現在も残る建物はこの時期に建てられたもの。関東大震災では甚大な被害を受けたが実業家・大橋新太郎らの尽力により再建された。昭和53年から62年にかけて整備が行われ、前述の「称名寺絵図」に基づいて平橋や反橋、浄土式庭園が復元された。
<指定・登録文化財の建造物>
光明院表門(こうみょういんおもてもん)
建築年代:寛文5(1665)
指定/分類:横浜市指定/指定有形文化財
指定年月日:平成4年
称名寺に現存する建築物としては最も古く、横浜市でもっとも古い遺構の一つともいわれる。
釈迦堂(しゃかどう)
建築年代:文久2(1862)
指定/分類:横浜市指定/指定有形文化財
指定年月日:平成15年
金堂(こんどう)
建築年代:天和元(1681)再建
指定/分類:神奈川県指定/指定重要文化財
指定年月日:平成15年
本尊の弥勒菩薩立像は国の重要文化財
<その他の建造物>
惣門(そうもん)
建築年代:明和8(1771)再建
仁王門(におうもん)
建築年代:文政元(1818)再建
院派仏師による仁王像は県重要文化財
※他に称名寺の鎮守で僧形八幡像を祀る「新宮」がある。
称名寺
所在地:横浜市金沢区金沢町212
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