【横浜の橋】万国橋
馬車道から通じる万国橋通りと新港地区を結ぶ「万国橋」。現在の万国橋は2代目で、初代が架けられたのは明治期にまで遡る。開港から40年を経て貿易量が急増していた横浜港では、港の近代化を図るため明治32年(1899)から第2期築港工事が始まった。初代の万国橋は、この際に行われた新港埠頭の埋立工事に伴い埋立地と関内地区を連絡する為に建設された橋であり、明治37年(1904)に完成した。橋は永井松次郎設計によるボウストリングトラスで、橋中央に装飾を凝らした照明が掲げられているなどユニークなデザインの橋であった。
その後、第二次世界大戦中の昭和15年(1940)に架け替えられた鉄筋コンクリートアーチ橋が現在の橋。風情のある石積の橋台に余裕のある橋詰は先代から通じるデザインで、運河に描く低くなだらかなアーチのラインが美しく、『かながわの橋100選』にも選定されている。税関設備として架けられ横浜港の近代化と発展に寄与してきた万国橋。関内側から橋を渡った先の新港地区は今は商業・観光地として生まれ変わり、橋もこれと共にその役割を変えることとなったが、今も多くの人や車が行き交い、橋からの眺めは横浜を代表する夜景スポットとして親しまれている。
(DATA)
建築年代:昭和15年(1940)・昭和40年一部改修
構造・規模:鉄筋コンクリートアーチ橋
所在地:中区海岸通5
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