【横浜の坂道】根岸の七曲り(中区)
根岸町を通る旧道と根岸線が交差するあたりの路地の先から、加曽台の崖を登り丘上の豆口台方面へと至る「七曲り」。名の通り七つの急カーブが崖に沿ってジグザグとつづら折りに続くユニークな景観の階段坂。
根岸の「七曲」という坂名は、江戸幕府による武蔵国の地誌『新編武蔵国風土記稿』において既に見られ、”根岸村・山”の項にて<村の東北に続けり、高十五六丈、此山に坂八ヶ所あり、上坂・入ノ坂・下坂・馬場坂・権現坂・芝生坂・加曾坂・七曲坂等の名あり>と記されている。坂はいかにも古くから地域の通り道として使われてきたような風情を今に残しているが、明治14年に発行された「横浜実測図」においても現在とほとんど変わらないその特徴的な七曲りラインを見出すことができる。
下から四曲り目付近では、高くそびえる岩壁から湧水が滴り落ち、水に濡れた植物が生い茂ってしっとりとした空気に包まれ、五曲がり目付近からは根岸湾方面を一望する。風光明媚で知られたかつての景色を見渡すことは叶わないが、崖にそって続くジグザグをゆっくりと登りながら、古くからの通り道として幾度となく日々の上り下りが繰り返されてきたであろう歴史を感じることのできるユニークな景観の坂道。
坂下。一曲り。
一曲りを経て、二曲りへ。
二曲り。つづら折りにぐいと急カーブする。
二曲りを経て、三曲りへ。
三曲り。
三曲りを経て、四曲りへ。高くそびえる岩壁からは湧水が滴り落ちる。
水に濡れた植物が生い茂って辺りはしっとりとした空気。
四曲りから坂下方面を望む。
四曲りを経て、五曲りへ。
五曲り付近から根岸湾方面を望む。”ミシシッピ・ベイ”の名で横浜に居留する外国人に親しまれた風光明媚なかつての根岸湾はどれほど美しかったことだろうか。
五曲りを経て、六曲りへ。
六曲り地点から、坂上と坂下方面の双方を望む。つづら折りの形状が良くわかるポイント。
坂上の七曲り。
七曲り
所在地:横浜市中区根岸加曽台
(関連記事)
【横浜の寺】白滝不動尊