【横浜の公園】根岸森林公園
旧横浜競馬場(根岸競馬場)の跡地につくられ、起伏に富んだ地形に緑のビロードのような芝生空間が広がる「根岸森林公園」。
開港間もない元治元年(1864)、幕府と外国人との間で競馬場の設置を含む「横浜居留地覚書」が結ばれ、これにより慶応2年(1866)に日本初の本格的な近代競馬場となる旧横浜競馬場(根岸競馬場)が現在地に設立された。全盛期には今の天皇賞や皐月賞のルーツとなる「帝室御賞典」や「横浜農林省賞典四歳呼馬」などのレースが行われるなど洋式競馬のモデルとなり、明治天皇も明治15年から明治32年までに12回も行幸された。
しかし、昭和になり第二次世界大戦が激化してゆくと、昭和17年(1942)にレースの開催は中止となり競馬場も海軍省に接収され、旧横浜競馬場は76年の歴史に幕を下ろした。戦後は長きに渡り米軍によって接収され住宅地やゴルフ場として使用されたが、昭和44年(1969)に一部を除き接収が解除。国有地となった敷地を市が無償で借り受けて整備し、昭和52年(1977)10月1日に根岸森林公園として開園した。その後旧スタンド部分も返還され、山手にあるベーリックホールや横浜山手聖公会を手がけたことでも知られるJ・H・モーガン設計によって関東大震災後に建てられた一等馬見所が今も残されている。
公園は起伏に富んだ地形に波打つように広がる芝生広場を中心に、広場の外周には多くの樹木に囲まれた気持ちの良い遊歩道が続く。公園内の一角は根岸競馬記念公苑となっていて、馬の博物館やポニーセンターがある。春には梅・桜の名所としても知られ、休日には多くの人が散歩をしたり、ランニングしたり、芝生広場で駆け回ったりと、様々な歴史を経て、思い思いに穏やかな時を過ごすことのできる憩いの場として親しまれている。
起伏に富んだ地形に芝生空間が広がる特徴的な景観。
「どんぐりの森」エリアでは、秋になり文字通り大量のどんぐりが落ちている。
広い空間に立つ一本木が良い感じ。
根岸競馬記念公苑の馬の装飾がほどこされた可愛らしいゲート。
根岸競馬記念公苑内の遊歩道。
幻の名馬「トキミノル」の銅像。他に「シンザン」の銅像もある。
視線の先にそびえ立つ一等馬見所。一等馬見所のある旧スタンド部分周辺も公園として整備されているが、米軍施設に隣接し撮影禁止区域となっている。
「馬の博物館」
馬場に通じる「馬坂」。
真っ白な美しい馬体の「グッバイレディ」。ポニーセンターではサラブレッドやポニーなど様々な品種の馬を間近でみることができる。
ポニーセンターの馬場と厩舎。
スイレン池の方へ続く遊歩道。
スイレン池。
スイレン池はカルガモたちの憩いの場でもある。
大きな木下でのんびりと過ごすのも心地が良さそう。
春には約340本の桜が咲き誇る桜山。
外周に沿って続く遊歩道。
ランニングやウォーキングには気持ちの良いコース。
彼岸花が咲きそろそろ秋の雰囲気。
今は緑色の梅林。早春には田子の浦、春日野、八重唐梅、古今集など約70種・310本の多種多様な姿や色あいの梅を楽しむことができる。
晩秋の黄葉が楽しみなイチョウの森。
公園案内所棟には2016年春にフラワーガーデンカフェがオープンし、一息つける場所としてにぎわっている。
-おわり-
根岸森林公園
所在地:中区根岸台
JR線根岸駅・桜木町駅・横浜駅・市営地下鉄伊勢佐木長者町駅・京急線日ノ出町駅より市営バス「滝の上」「旭台」
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