【横浜の坂道】大坂（南区）

横浜の「大坂」といえば戸塚宿の難所である大坂が知られるが、南区の「大坂」はさほど大きな坂というほどではないものの、その勾配は横浜でも屈指のもの。住宅の連なる谷間をうねるように急坂が続き、少し空間が歪んだような複雑で独特な景観をつくっている。

南区を流れる「中村川」の南側の平地からは、稲荷坂上から山手方面まで続く丘の上の尾根道へ向かって幾筋もの坂道が櫛状に延びている。「大阪」もその一つで、八幡町から山谷と平楽の境界を通り、増徳院近くの尾根道に至る。勾配のもっとも急なポイントでは、人も車も通行が困難なほど。坂の途中には日本丸のいかりやスクリューが設置されている「中村冒険パーク」があり、住宅に挟まれた視線の先には遠くにそびえるランドマークタワーを望む。