【横浜の坂道】乙女坂[旧西坂](中区)
石川町と山手町を結ぶ地蔵坂中腹にある蓮光寺の脇から、丘の上にある横浜共立学園、横浜女学院方面に延びる階段の坂「乙女坂」。かつては「西坂」と呼ばれたが、この坂を上り下りして女学生が通学することから「乙女坂」と呼ばれるようになった。
旧名称の「西坂」は山手居留地に新設された26か町の一つでもあり(西坂町)、明治32年(1899)にこれら26か町を廃して同区域に山手町が新設された。横浜女学院のある山手203番地は、明治6年(1873)にネイサン・ブラウンとジョナサン・ゴーブル両宣教師夫妻によって日本で最初のバプテスト教会(日本で2番目のプロテスタント教会)である「横浜第一浸礼教会」が設立された地であり、また昭和6年(1931)に完成した横浜共立学園の本校舎は横浜市の指定文化財に指定されている歴史的建造物であるなど、明治以来の歴史を感じさせる坂道でもある。
蓮光寺の大きな屋根がすぐ近くに迫る石段の中程から眼下を見下ろすと、丘に挟まれた谷の部分に地蔵坂が走る独特な景観が広がる。
乙女坂(西坂)
所在地:中区石川町3丁目から山手町