【YOKOHAMA SNAP】インド水塔
山下公園の片隅に静かに佇む「インド水塔」。ドーム屋根の内側に美しいモザイク装飾が施されているこの水塔は、昭和14年(1939)年に完成したインド式水飲場で、関東大震災で被災した在留インド人の慰霊のために建てられ、横浜市に寄贈されたもの。
横浜とインドの交流は開港後の19世紀にまで遡り、インド商人は山下町に商館を構え絹織物の輸出などを行っていた。しかし大正12年(1923)9月1日に発生した関東大震災で山下町は壊滅的となり、横浜在住のインド人28人が犠牲となった。
「インド水塔」は震災後の昭和14年(1939)年に震災で亡くなった28人を偲び横浜在住のインド人によって建てられ、震災後インド商人のために低金利融資や商館再建などの救済措置を講じた横浜市への謝意を込めて寄贈された。昭和40年(1965)には横浜市とムンバイ市とが姉妹都市提携を締結し、今年(2015)で50周年を迎える。