【横浜の坂道】不動坂（中区）

根岸線・根岸駅近くの白滝不動尊前から坂上の根岸森林公園方面まで続く「不動坂」。坂の名の由来はふもとにある「白滝不動尊」から。<馬力のみで上れる坂>であることから古くは「馬力坂」とも呼ばれたという。不動坂はまた、開港後に居留外国人が安全に歩けるよう幕府が整備した元町・山手・本牧・根岸方面を巡る旧外国人遊歩道の一部をなした。根岸湾の美しい海岸線を望む場所として好まれ、坂に沿って外国人の高級住宅が建てられていたという。

坂は切り立った斜面に沿って続く長い急坂で、途中「不動坂上バス停」付近から大きく旋回し坂上へと道が続く。坂上手前にはユーミンの『海を見ていた午後』で知られるレストラン「ドルフィン」が今もある。坂を上りきると異国情緒のある在日米軍ファイヤーステーションあり、ここから100mも歩けば根岸森林公園の入口となる。坂からかつて外国人に”ミシシッピ・ベイ”と呼ばれ称えられた美しい根岸湾の全景を見渡すことは今となっては叶わないが、横浜の様々な歴史を感じさせてくれる長い坂道。

白滝不動尊前の坂下。