【横浜の橋】横浜ベイブリッジ
横浜港の玄関口に架かり本牧ふ頭と大黒ふ頭を結ぶ横浜のシンボルブリッジ「横浜ベイブリッジ」。上層は首都高速道路湾岸線、下層は国道357号線の2層からなる全長860mの斜張橋で、横浜博覧会開催と同じ年の平成元年(1989)に開通した(高速湾岸線部分)。
横浜ベイブリッジは新しい横浜の都市づくりを目指し昭和40年に打ち出された六大事業の1つとして計画され、戦後に増大した港湾部の物流を円滑にし市中心部の交通渋滞を緩和させる道路網を整備するとともに、ミナトヨコハマのシンボルとするものであった。昭和55年(1980)から基礎工事が着工され、海底にケーソン(基礎)を埋め、陸上で組み立てた桁を大型クレーン船で架設するなど、8年もの歳月をかけた大工事を経て、平成元年9月(1989)にまず上層の首都高速道路湾岸線が開通。その後平成16年(2004)に下層の国道357号線が開通した。橋の開通により市中心部を通っていた物流の流れが変わり、コンテナ街道などという異名のあった本町通りなどで物流関連の交通が効率化されるようになった。
橋は3径間連続鋼トラス斜張橋で、全長は860m、中央径間長460m、主塔の高さは175m。完成時には中央径間で国内最大の斜張橋であった。ケーブルを支える主塔はH型で、少しずつ間隔をずらして張られたファン型ケーブル2面吊りで橋桁を支えている。桁下のクリアランスは(海面からの高さ)は55mあるが、近年では一部の超大型外国客船が横浜ベイブリッジを通り抜けられず、大さん橋に寄港することができないという問題も生じている。
ミナトヨコハマの玄関にシンボルとしてのかけ橋を渡そうと昭和40年に計画され、来年(2019)には開通30周年を迎える「横浜ベイブリッジ」。2つの主塔からケーブルが張り出し、港に緩やかなアーチを架けるその優美な姿は、港をのぞめば様々な場所から自然と目に入る横浜を代表する風景の1つとして親しまれている。
(DATA)
建築年代:[高速湾岸線部分]昭和55年(1980)着工/平成元年(1989)開通・[国道357号部分]平成12年(2000)着工/平成16年(2004)開通
橋梁形式:3径間連続鋼トラス斜張橋 規模:全長860m・中央径間長460m・主塔の高さ175m(海面から)
事業主:首都高速道路公団
受賞:土木学会田中賞(平成元年度)
所在地:横浜市中区本牧ふ頭~鶴見区大黒ふ頭間
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