【横浜の神社】朝夷奈切通・熊野神社
朝夷奈切通の中程にある分岐点から、山奥へと曲がりくねりながら続く森の参道を進み、木漏れ日の射す杉の木立をぬけると姿をあらわす「熊野神社」。山奥の秘境のような地にある境内では、日常から遠く離れた静寂な時が流れる。
熊野神社の由来は、鎌倉に幕府を開いた源頼朝が鬼門の位置にある朝比奈山上に熊野三山より祭神を勧請したことに始まるとされ、仁治年間(1240~1242)の「朝夷奈切通」開削に際し、時の第三代執権北条泰時が社殿を建立したという。江戸幕府による相模国の地誌『新編相模国風土記稿』(巻之九十八・鎌倉郡巻之三十)において、「村の鎮守なり元禄八年地頭加藤藤太郎左衛門再建の棟札あり淨林寺持下同、」と記されている。その後、明治6年(1873)に村社に列格、昭和9年(1934)に神饌幣帛料供進神社に指定された。静けさに包まれ神秘的な雰囲気の漂う山の中の境内にいると、横浜の地にこのような場所が残されていることに驚かざるを得ない。往時の景観をよく留めている朝夷奈切通と共に、いにしえからの情景が思い起こされる貴重な空間。
朝夷奈切通からの分岐点
ここから熊野神社方面へ入って行く
森の中の参道を進む
道中にあるやぐら
杉の木立を抜けると、、、
辺りが明るくなり熊野神社が姿を現す
拝殿
拝殿の脇に佇む年期の入った石の祠
横浜市名木古木に指定されている見事なイチョウ
拝殿の脇から続く石段を上った先にある本殿
熊野神社
所在地:神奈川県横浜市金沢区朝比奈町578
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