【駅】JR鶴見線 国道駅

JR鶴見線・国道駅。はじめてこの駅に降り立つ時、平常心のまま改札を通り過ぎることはほぼ不可能だろう。降りる駅でなく、降りる時代を間違えたという感覚をおぼえる異様さ。1949年公開の黒澤明監督『野良犬』のロケでも使用されたというが、劇中でも見られた戦後まもない昭和の鬱屈とした時代の雰囲気が今なお強く残っている。
元々は鶴見臨港鉄道の駅として昭和5年(1930)に開業した。設計は阪急ビルディング、日比谷映画劇場、東京~万世橋間高架橋などを手がけた阿部美樹志。現在の強烈な印象ばかりが目に付くが、開業当初は梁のアーチが美しいアールデコ調のモダンな駅で、構内には食料品から日用品まで何でも揃う「臨港デパート」が営業していたという。
時の経過と独特な形で関わることのできる、稀有でユニークな横浜の空間である。

「駅構内の中央通路」kokudo-the yokohama standard

「改札口」
kokudo2-the yokohama standard

「第二次大戦中の空襲で受けた機銃掃射の痕が残る壁」
kokudo3-the yokohama standard


2014-10-10 | Posted in , | tag:

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