【YOKOHAMA SNAP】清水谷戸トンネル
上りの東海道線が東戸塚駅を過ぎると、それまで並走してきた横須賀線としばし別れ、年期の入った風情のある「清水谷戸(しみずやと)トンネル」へと入ってゆく。この清水谷戸トンネル、よく見ると上り線と下り線で微妙に形が違う。左側の上り線トンネルは逆U字形で、明治20年(1887)に建設された現役としては日本最古の鉄道トンネル。一方、右側の下り線トンネルは馬蹄形で、明治31年(1898)の複線化工事にともない建設されたもの。どちらも共に19世紀生まれの希少な建造物である。
日本で初めて新橋~横浜間に鉄道が開通したのが1872年。それとほぼ同じ時から現在に至るまで、東海道線でこの地を通過する人々は皆、この清水谷戸トンネルをくぐり抜けてきた。100年以上変わらぬ光景が今日も続いている。