【横浜の橋】響橋

「響橋」は鶴見区東寺尾北台・東寺尾中台・北寺尾・東寺尾の境界に位置し、第二京浜国道(国道1号)をまたいで架かり橋の上を横浜市道85号が通る陸橋。地域では”めがね橋”の愛称で親しまれている。

「響橋」の架かる第二京浜国道(国道1号)は、第一京浜国道(国道15号)によって結ばれる京浜間の交通量増大を改善する為、昭和11年(1936)に建設が着工された。道路はまた昭和15年(1940)に開催が予定されたものの日中戦争の拡大によって中止となり”幻のオリンピック”となった東京オリンピックのマラソンコースとしても想定され、「響橋」は折り返し地点付近のランドマークとなる予定であったという。オリンピックは中止となったが橋の工事は継続され、「響橋」は太平洋戦争が勃発する9か月前の昭和16年(1941)3月に竣工した。

橋は開腹式上路アーチの鉄筋コンクリート橋。デザインは旧早稲田大学図書館や地下鉄銀座線浅草駅などを手がけ、アントニオ・ガウディを日本に紹介したことでも知られる建築家・今井兼次による。幅48mの橋はアーチが半円に近く高さもあり、近くで見ると想像以上に大きく存在感がある。しかしスリットが施された隔壁が隙間をつくって垂直に並ぶデザインの為軽やかに感じさせ、切通された谷間にユニークで印象的な空間をつくりだしている。

平成29年(2017)3月には竣工から76年目を迎えるが、橋の下の国道1号のみならず、水道道へと続く橋の上も往来が多くまだまだ現役の響橋。横浜市認定歴史的建造物、かながわの橋100選に選ばれている他、平成28年には土木学会選奨土木遺産に認定されている。

(DATA)
建築年代:昭和16(1941)
構造/規模:鉄筋コンクリート・アーチ橋
設計/施工:今井兼次・内務省横浜土木出張所新京浜国道事務所/不詳
指定/分類:横浜市認定歴史的建造物(平成13度)土木学会選奨土木遺産(平成28年度)
所在地:横浜市鶴見区東寺尾北台5~北寺尾1-1

響橋8-THE YOKOHAMA STANDARD

 

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橋の西側にある細い階段坂を上り橋上に行くことができる。

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階段からの眺め。

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橋上西側のたもとにある享保元年(1716)建造の庚申塔。別の場所からこの地に移設されたもの。

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橋上の響橋交差点付近。

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橋上から川崎・東京方面を望む。

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橋上から横浜駅方面を望む。

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橋の上。

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THE YOKOHAMA STANDARD ウェブサイト


2017-01-17 | Posted in 横浜の橋, | tag:

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