【横浜の森】三保市民の森
「三保市民の森」は緑区・旭区にまたがる約40ヘクタールの広大な森で、近隣の新治市民の森、四季の森公園、ズーラシア隣の植物公園予定地などと共に「北の森」と称される横浜市北西部の丘陵地に緑地帯を形成している。昭和47年11月に市内で4番目に開園した歴史ある『市民の森』で、山林所有者から横浜市が土地を借りて散策路などを整備し、三保市民の森愛護会が森を管理している。森は鶴見川支流・梅田川の源流域でもあり、市内でも有数のシダの生育地として知られ、日本で見られる630種のうち、約6分の1の種類のシダ群が見られるという。広い森には、西側の「尾根道」、東側の「谷道」、森の中央を南北に貫く「プロムナード」があり、それぞれに個性のあるルートを楽しむことができる。
プロムナードは、起伏に富んだ森の中を奥深くまで入ってゆくルートで、本格的な山歩きの感覚を味わうことができる。山あり谷ありと地形の中で出会う景色は、ゾーンごとに植生も異なり、見上げてみたり、様々な生き物に出会ったりと、表情豊かで飽きさせない。とりわけこの森を特徴づけるシダの群生は見事で、広大なシダの林床の中を歩くような貴重な体験をすることができる。外とは空気も温度も音も違う森の中は、ベールに包まれた別世界のようで、無心に歩き森から出ると現実世界に引き戻されたような不思議な感覚をおぼえるほど。横浜という都市に残っていることが奇跡に感じられるような素晴らしい森であり、静寂の中に多様な生命が息づくかけがえのない横浜の自然空間。
横浜線・中山駅からバスに乗り約10分で「三保市民の森」バス停に到着。バス停のすぐ脇が森への入口となっている。森には「谷道」、「プロムナード」、「尾根道」の3つのルートがあるが、今回は森の中央を通る「プロムード」を辿り、森の北にある霧が丘側出入口を目指して進む。
入口からすぐのところに「三保平」という広々と起伏に富んだ広場がある。ここでお弁当を食べるのは気持ちが良い。尚、森にあるトイレは「三保平」の1か所のみなので要注意。
三保平の先にこれから進む森が見えてきた。
P2地点。森の中の案内版には「地点番号」が付いているので、これを頼りにルートを進む。P2を過ぎるといよいよ森の内部へ。
P3地点を過ぎP4方面へ進む。
三保市民の森ではスギ、ヒノキ、シラカシが多く占めるという。
森の切通し。
P4地点を過ぎ、プロムナードをP5方面へと進む。この辺りは暗めで独特の雰囲気がある。
P5地点を過ぎたあたり。ゆるやかなS字ラインがきれいな道。
森のストライプ。
P6地点を過ぎたあたり。シダの群生する急な斜面を下りる。転ばないよう注意。
見事なオニゼンマイ。
光が射して綺麗なシダの林床の間を進む。
蔓が絡まりうろこのような木。
谷へ下りたと思ったら、すぐまた登る。
ちょっと振り返る。かなりの傾斜。
P9地点のあたり。
谷の斜面に沿って道は続く。
ここにもシダが群生している。
シダの間をぬって森と同化した階段を下りる。
森のヘアピンカーブがあるP11地点付近。谷底にあたるこの地点周辺は静かで穏やかな雰囲気がある。
P12からP14地点まではまた登り道。アップダウンの繰り返しは三保市民の森の特徴。
木漏れ日の射す気持ちの良い道を進む。
P17地点近くの「天狗の踊り場」休憩所。
「天狗の踊り場」を過ぎると道幅が広くなった。
P19「こじゅけい」休憩所周辺のシダの林床。
葉が生き生きとしたシダ。緑色があざやか。
立派な木の根の小階段。
木肌を間近で観察できるのもおもしろい。
P21地点周辺。この辺りの斜面に沿ってシダの林床が広がる景観はとても良い雰囲気。
森には新しい芽も育っている。
P22地点付近。そろそろゴールかなと油断することなかれ。最後に森の急坂が待ち受ける。
長い坂を登りきるとほどなくして霧が丘側出入口に到着。
森の出入口から望む霧が丘の街並み。
―おわり―
三保市民の森
所在地:横浜市緑区三保町500番地先
中山駅から神奈中バス(中53)・(横52) 「三保市民の森」下車
十日市場駅から市営バス(23系統)、東急バス(青23) 「霧が丘高校前」下車